
Notion ワークフロー
作成日
2022/03/01
オススメ度
👍👍👍
ひと言メモ
Notionの機能が分かりやすく解説されている。またちょっとしたテクニカルな話しもあって読み応えがあります。
カテゴリDBカテゴリ

Notion を使って2年ぐらい経過しました.正直あまり使いこなせていない気もしますが,個人的な使い方をまとめたものを Notionに書いて公開していました.ただ,検索インデックスを有効にしていても検索に引っかかることはなかったので,Zenn 側にも全く同じ内容を記録しておくことにしました.Notion での公開ページは組織内などで共有するとか,どこからかリンクしておかないと辿り着けない感じがします.あと,Notion から Zenn に移行するのはどれくらい手間なのかもちょっと気になったし.
Notion ワークフロー(公開ページ)
上のリンクカードのように,公開ページののリンクをそのまま貼ると,個人が公開しているページにはまったく見えませんね.
とりあえず,Notion から Markdown 形式でエクスポートしたものをまるごとそのまま持ってきて, Zenn 用に書き直しました.Toggle list や Callout,多段カラム,コンテンツの埋め込みなどは書き直す必要があった感じです.意外にも数式はほぼそのままで移行できました.レイアウト用のちょっと変わった数式もあったんですが,Zenn でもほぼそのまま表示されていました.ということで以下は本文です.ちなみに,先頭の
CONTENTS
表記は数式ブロックです.📌 Notionとは
簡単にいうと高性能なWikiです.基本はページを作成して,そのサブページを作っていく感じです.ただ,Notionはかなり直感的にコンテンツを作れます.テキストだけではなく,表や画像などかなり扱いやすいです.例えば,2段や3段といった段組が簡単に行えるし,Markdown 方式でもサクサク書けるのはとてもいい感じです.また,外部サービスとの連携も充実してきていて,様々なコンテンツをページに埋め込むことができます.
単純なプロジェクトのドキュメントなどでは Wiki のような運用で問題ないと思いますが,様々なコンテンツを含むナレッジベースのようなものを構築する場合には,Wiki ベースの管理方法は上手くいかないことはすでに分かっているので,Wikiのように使っていてはダメだと考えます.あくまで,個人的な意見です.それではどうするかということをこれから書いていきますが,その前にNotionについてもう少し知っておきましょう.
これから使う名称は必ずしも正しくありません.私が勝手に名前を付けているものもありますので注意してください.
📌 2種類のページ
基本としてページを作成していきます.ページの作成は New Page ボタンを押します.

Notionには2種類のページがあります.通常ページとデータベースページです.新規ページを作成すると次の画面になります.

データベースページは表,タスク,リスト,カレンダー,ギャラリーがあり,データベースにドキュメントの追加や削除をします.これが良く出来ていて,表やタスク,リストなどすべてが相互に切り替えることが出来ます.ビューを切り替える感じですね.実際,データベースにビューをいくつも設定できて,各ビューが表だったり,タスクだったりするわけです.
📌 ブロック
Notion の特徴にこのブロックがあります.簡単にいうと1文が1ブロックです.ブロックはテキスト,数式,画像,水平線,見出しといった様々な要素です.Notionではストレージの単位がブロック単位です.このブロックの入力が洗練されていて,通常はMarkdownで書くけど,スラッシュ(
/
)コマンドで選べたり,ショートカットを使ったりと,慣れるとかなり速く入力することができます.📌 テンプレート
Notionはページを作成して,ブロックを作成していってコンテンツを作成します.2種類のページ,それにブロックを作成してある程度定形にまとめたものをテンプレートといいます.テンプレートは標準で様々なものが用意されていますし,自分で作ることもできるようです.
📌 ワークフロー
それでは一通り説明が終わったので,私なりのやり方を説明してみます.キーとなるのはデータベースページです.これを使って構築していきます.まずは空の通常ページを作成して,
DB
という名前をつけます.その下に文書(メモ)用のドキュメントデータベースを作成します.新規ページを作成して,DATABASEの Table
ページを作成します.親はDBページにします.
このような感じで,データベースページを
DB
ページに追加していきます.例えば,Movies とか,Design の資料とか.アイコンは適当です.
次に,メインページを作成します.ダッシュボードみたいなものです.新規に通常ページを作成します.名前は
Main
としました.Main ページにブロックを追加していきますが,ここで追加するブロックは
Create Linked Database
です.
これは,既に作成したデータベースにリンクしたインラインデータベースブロックを追加します.データベースブロックはページ全部を使う
FullPage
と通常ページに入れる Inline
があります.このブロックを使ってページなどを作成していくと,実際はリンクされたデータベースを編集していることになり,新規ページはすべてデータベースページに含まれることになります.これで Wiki のような階層構造ではなく,データベースによる管理方法になりました.
📌 ビューの活用
データベースによる管理になったわけですが,ドキュメントが 100, 1000 と増えていくと閲覧性が悪くなります.そこでビューを活用します.データベースにビューをいくつも設定できると,少し前に言及しましたが,Linked Database ブロックごとにビューを管理できます.
基本的にドキュメントは編集中のもの,編集が終わって後から検索して参照する2つに分けることができます.Mainビューでは編集中のもの,新規にページを作成することが主になりますので,これに合わせたビューを作成します.編集中のものには
draft
というタグをつけることにします.Main ページに追加した Documents のデータベースでフィルター設定を行います.
これでタグに
draft
が含まれているものだけが表示されます.フィルター設定のとき,既に存在するタグしか設定出来ないため,適当にドキュメントを作ってタグを作成しておきます.このように,フィルタリングされた状態になり,編集中のページを開きやすくなっています.
📌 検索
どうやら Notion の検索機能は貧弱のようです.そこで,少し工夫しておきます.基本的に検索するのは
Tags
と Keywords
とします.Tags は最初から作成されていますが,Keywords は無いのでデータベースに属性を追加します.検索は Linked Database ブロックにある
Search
のところで行います.📌 タスク
タスクを管理します.まずはDBページに
Board
のデータベースページを追加します.名前は Task
とします.Boardのデータベースページは次のような画面です.
個人的に
Not Started
ではなく ToDo
としました.また,カレンダーにも対応できるように
Date
属性を追加します.標準の日付書式を好みに合わせて変更します.私は 年/月/日 に変更しました.
ドキュメントと同様にメインページにこのデータベースのリンクを入れます.ビューには
List
と Calendar
を設定しました.フィルターは下の左図のように,そしてソートを右図のように設定しています.
📌 ここまでのまとめ
新しく管理するデータベースをDBページに追加します.Main ページ,およびそのサブページなどで,Linked Database ブロックを使って参照し,ビューを追加します.ドキュメントはデータベースに作成していきます.基本はこの流れです.
📌 Inbox データベース
Web Clipper や Twitter などのSNSからの共有にも Notion は使えます.そういったサービスからの入力は
Inbox
データベースに突っ込んでいきましょう.新規のデータベースページを作成して,Inbox と名前をつけます.共有するときにページ選択画面がありますので,Inbox
ページを選びます.例えば,Twitter から共有すると次のような感じになります.📌 最終的なページ構成
ということで,Main ページ,DB ページ,Inbox ページとなります.DB ページ以下にデータベースページが追加されていく感じになります.大分スッキリしていると思います.
📌 便利な機能
ここでは,Notion にある便利な機能をいくつか紹介します.
📕 絵文字
Notion では絵文字をサポートしています.
/emoji
と入力したり,Windows なら Win+.
で簡単に入力することができます.あまり使いすぎると逆に見づらくなるかもしれませんが,上手く使うことで文書がとても見やすくなります.例:また,ページについては
- 📘まとめページ.体裁の整ったもの,公開ページ.
- 📝編集中
あと,データベースの新規ドキュメントでアイコンを指定しない場合は断片的なメモ
という感じで,使っています.
📕 Toggle list, Callout, Gallery Database
Notion ではこの3つを使いこなすことでレイアウトやデザインを良くすることができます.ユーザーが公開しているテンプレートを見てみるとこれらをうまく使っているケースが多いかなと思います.
まず,Toggle list は折り畳み可能なブロックです.
次に Callout はアノテーションなどに使います.
この Toggle list と callout を組み合わせることでレイアウトを整えていきます.
このように Callout の背景色を設定して,中に Toggle list を入れていくといった感じで作成します.もちろん,さらに入れ子にも出来るし,インラインデータベースだって入れることができます.
これ以外に Database の Gallery ビューを使ってレイアウトする方法があります.
この場合は,データベースのオプションから
Properties
を選択, Card preview
を None
, Card size
を Small
に設定します.📕 Synced Block
同期ブロックというもので,異なるページ間でもブロックコンテンツを共有することができます.これを利用して,各ページのサイドページ部分を作るといったことができます.適当なダミーページを作成して,そこに段組した状態のサイドページ部分を Synced Block で作成します.あとは各ページにそれを埋め込んでいくような形になります.
📕 Table
最近追加されたもので,データベースページとは異なるもっと単純な表を作成することができます.以前は表作成でもデータベースを作らなければいけなかったのですが,単純な表はこちらを使いましょう.
📕 数式
今では,ブロック単位・インライン形式での数式がサポートされています.実は数式は
TeX
で入力するのですが,これを使ってレイアウトに生かすことができます.また,このページの先頭にある
CONTENTS
の部分にも使っています.背景色を設定するにはコツがあって,まず空のブロックを作成して先に背景色を設定します.そしてコンテンツには数式を入力しておいて,最後に
Turn into
で数式ブロックに変換します.今度はインライン数式を使ったちょっとしたテクニックを紹介します.これを使うと文書内にマーカーっぽい表現を行うことができます.ただし,本来のインライン数式の使い方ではないので,多用は禁物ですし,将来的に使えなくなる可能性も否定できません.
本来,Notion 上でのテキストの色や背景色は特定の種類しか設定することができません.ですが,インライン数式を使うことで というようにユーザーが指定した色の背景色を設定することができます.Notion の標準の赤背景ですと こんにちは! (この部分は Notion だと背景色が変わっています)というようになります.これを使うことで, , といったことが可能です.これは次のような数式になっています:
また,インライン数式なので,データベースの値に設定することができます.
インライン数式やブロック数式は汎用性が高いです.他にも,本文で使われている次の区切りも数式ブロックです:
📕 データベースでの進捗ゲージ
データベースには
Formula
という数式カラムを利用することができます.これを使って進捗ゲージを自動で示すことができます.表現方法は様々なので色々探してみてください.例えば上記の Formula は下記の通りです:
Plain Text
📕 データベースで特定のデータをピン留め
データベースのデータ数が増えてくると,最初に表示される数が制限されることがあります.最初に表示される最大数はデータベースのプロパティで選択することができます.データベースで一括管理している項目数が多くなってくるので最初に制限された状態で表示されることも多くなってくることがあります.その場合はフィルターなどで調整するのですが,それとは別に常に特定の項目は先頭に表示することができると便利です.ここではその方法を紹介します.例えば次のようなデータベースを作成します.このデータベースにはデータ数が 10 個以上あり,プロパティで最大 10 個表示に設定しています.
初期状態だと最大 10 個しか表示されておらず,
Load 50 more
をクリックすると表示されるデータ数が増えていきます.このデータベースがすべて表示された状態は次のとおりです.ここで
Game
は初期だと非表示状態ですが,これを常に先頭の方に位置するようにしてみます.まず,新規に
Pin
という項目を Checkbox
で作成します.作成したら
Game
の Pin
にチェックをつけます.次にソートを追加します. 対象を
Pin
,順番を Descending
に設定します.これで,
Game
が先頭に来ます.あとは, プロパティから
Pin
を非表示にして完了です.もし,ソート条件を追加する場合は
Pin
の条件が一番上になるようにしてください.ピン留めしていることをわかりやすくするために絵文字を入れるのもありだと思います.
📕 データベースの項目を一気に全画面表示で開く
Notion のデータベースはページの集まりです.各項目はページとして開くことができます.普通は項目の
Name
プロパティにカーソルを合わせて OPEN
(Open as page) をクリックします.Notion はデータベースのビューから項目のページを開こうとするとプレビューモードで開きます.全画面表示するには,プレビューモードから左上にある
Open as page
をクリックする必要があります.一度プレビューを開いてから,全画面表示と2回遷移する必要があるため,とても無駄に感じることがあります.そこで,ビューから直接全画面表示する方法を紹介します.
データベースのプロパティ内にはブロックを含めることができないので,
Link to page
ブロックを入れることができません.そこで URL
プロパティを使ってページのリンクを設定する方法が考えられます.これはページのリンクをコピーして貼り付けるだけなのでとても簡単です.ただし,ブラウザ上で作業している人ならこれで十分なのですが,Desktop版を使用している場合はこれではできません.先程触れたようにプロパティにはブロックを含めることはできませんが,実はインラインなら使えるものがあります.そこでメンションを使います.まずはテキスト形式のプロパティを作成します.ここでは Full Mode
としました.そこにメンション @
を使って対応する項目へのリンクを作成します.あとはメンションをクリックすれば一気に全画面表示で開くことができます.ただし,この方法は Table ビューでしか使えないので注意してください.とはいえ,開くページのコンテンツが大きいほど,プレビューモードを経由して全画面表示すると無駄な処理が増えるので,あらかじめ全画面表示するつもりなら,こちらのほうが手っ取り早いとは思います.
この後で紹介する notion-enhancer にある
bypass preview
という拡張機能を使うと,常に OPEN
で開けばプレビューモードを経由せずに,全画面表示するように変更することは可能です.ただ,場合によってはプレビューモードの方がいいこともあるため,状況に合わせて使い分けてみてください.📕 カラーサンプル
📕 カバー
ページの先頭にはアイコンやカバーを設定することができます.自分で画像を用意することになりますが,例えば以下のようなサイトでおしゃれなカバーを作成することができます.
📕 アイコン
Notion には絵文字がありますが,アイコンも文書の見栄えを良くするために利用できます.また,Notion 用に使いやすいアイコンが多く公開されています.
これらを使うとこんな感じで調整できます:
📕 ダークテーマ
Notion にはダークテーマが用意されています.設定から全体に対して適用できたり,ページを開いている状態で
Ctrl/Cmd+Shift+L
で切り替えることができます.ただ,最近のダークテーマは変更が頻繁で人によっては見やすくなったり見づらくなったりと全く安定していません.なので,色を設定するときは気をつけたほうがいいです(例えば,Brown, Orange, Yellow を混ぜて使わない,Pink と Red も同様といった感じです).📕 notion-enhancer
これは Notion の機能ではありませんが,デスクトップ版Notionの使い勝手を良くするための非公式アプリケーションです.私も使っています.
様々なカスタマイズが可能ですが,個人的にフォントの変更,色の調整,トップ画面に戻るものだけ有効にしています.
📌 Tips
📌 最後に
例えば,1つのプロジェクトのドキュメント管理,または攻略サイトのように1つのテーマに絞って情報をまとめあげる場合には Wiki で十分な場合もあります.ただし,個人・団体における集合知のようなナレッジベースを構築する場合には Wiki のような階層型による管理方法では必ず破綻します.なので,それぞれの扱うテーマごとにダッシュボードページを作成し,ダッシュボードページ,およびDBページ,IndexDB 以外のすべてのページが必ずDBページにあるデータベースのどこかに含まれているように管理を徹底することをオススメします.そのため,Linked Page や Linked Database を多用しましょう.ただし,あるページのサブページもすべてDBに含めなければいけない,という訳ではありませんので注意してください.
Notion を使ってもう2年ぐらい経ちました.かなり重宝していますが,最近ちょっと動作が重いかなと感じるようになったのが懸念です.参考になれば幸いです.
Discussion

1. 📌 便利な機能